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各種ワクチン接種の注意点

当院にて行っているワクチン接種の注意点をご案内いたします。

定期接種
ワクチン名 接種時期
ロタワクチン ロタテック(5価) 生後6週から32週
ロタワクチン ロタリックス(1価) 生後6週から24週
ヒブワクチン(Hib) 生後2ヵ月以上5歳未満
小児用肺炎球菌ワクチン(13価統合型) 生後2ヵ月以上6歳未満
B型肝炎 生後2ヵ月から
DPT-IPV(4種混合) 生後3ヵ月以上90ヵ月未満
不活化ポリオ 生後3ヵ月から90ヵ月未満
BCG(結核予防) 3ヵ月以上1歳未満
水ぼうそう(水痘) 1歳以上3歳未満
麻しん・風しん混合(MR)ワクチン 1歳以上2歳未満 年長
日本脳炎 3歳以上
子宮頸がんワクチン サーバリックス(2価) 中学1年相当の女子
子宮頸がんワクチン ガーダシル(4価) 中学1年相当の女子
任意接種
ワクチン名 接種時期
DPT(3種混合:ジフテリア、百日せき、破傷風) 生後3ヵ月以上90ヵ月未満
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎・ムンプス) 1歳以上
インフルエンザ 2回接種 小学生以下
インフルエンザ 1回接種 中学生以上

その他のワクチンについてはお問い合わせ下さい。

ロタウィルス

ロタウィルスは乳幼児に多く起こる感染症胃腸炎の原因となるウィルスの一つです。ロタウィルスには多くの種類(型)があり、5歳頃までに少なくとも1回以上は感染を経験すると言われており、特に重症化しやすいのは生後6ヵ月から2歳までの乳幼児です。

毎年冬から初春にかけてロタウィルスによる感染性胃腸炎の流行が見られ、感染すると2-4日の潜伏期間を経て発症します。嘔吐、水の様な下痢を繰り返すのが特徴的な症状で、発熱を伴うことも多く見られます。通常これらの症状を1週間程度で治りますが、重症になると身体の水分が失われ、脱水症状が続いたり、痙攣、稀に急性脳炎、脳症などの合併症が起こることがあります。

感染経路は主に、便の中に出てきたロタウィルスが手などを通じて口にはいることによる糞口感染と言われてます。強い感染力を持ち、わずかなウィルスで感染し、体外の環境にも強いため、ロタウィルスに汚染された水や食べ物を口にしたり、おもちゃをしゃぶったりするだけでも感染します。

そのため日本では総患者数が年間80万人にも及び、患者の15人に1人が入院していると推定されています。

ロタウィルス胃腸炎になると、原因となるウィルスに対する薬剤がないため、対症療法(症状を和らげる)しかありません。何度か感染することで免疫がつきますが、ワクチン接種により免疫をつけることで、ロタウィルス胃腸炎を予防することが出来ます。

WHO(世界保健機関)はロタウイルスワクチンの乳児への定期接種を勧告しています。

主な副反応
  • 世界中で接種は調査が行われ、安全性の高いワクチンです。かつてのワクチンで問題となった腸重責については、市販後も調査が継続されています。
  • いらいらする、怒りっぽいなど周囲の刺激に対して反応しやすくなる(くすりなどの易刺激性)、下痢、咳は鼻汁が出るなどの副反応が報告されてます。
接種対象年齢・回数

ロタウイルスワクチンは経口接種するワクチンです。(2種類あります。どちらか一種類を接種します。)

  • [2回接種ワクチン]
    生後6週から開始し、4週間以上の間隔をおいて、24週までに2回接種します。
  • [3回接種ワクチン]
    生後6週から開始し、4週間以上の間隔をおいて、32週までに3回接種します。

※どちらのワクチンも初回接種を生後14週6日までに行うことが推奨されています。

接種スケジュール
  • [2回接種ワクチン]
    1回目→4週間以上→2回目
  • [3回接種ワクチン]
    1回目→4週間以上→2回目→4週間以上→3回目

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ヒブワクチン(Hib)

ヒブ(Hib)はヘモフィルス属インフルエンザ菌b型という細菌です。昔、冬に流行るインフルエンザの原因と誤って考えられていたので、紛らわしいインフルエンザ菌という名前がついてしまいましたが、全く別ものです。ヒブはふだん小さいお子さんの鼻や、のどに潜んでいるのです。

健康な幼児でも5〜10%ヒブを保菌しています。ヒブが血液や肺の中に侵入すると、髄膜炎や喉頭蓋炎、敗血症などの重症感染症をひき起こします。年齢とともにヒブに対する免疫がつくようになり、通常5歳以上の幼児はヒブによる重症感染症も減ってきます。ヒブワクチンの導入前、日本では年間600人の子どもたちがヒブによる髄膜炎にかかっていたと推定されています。細菌性髄膜炎の原因となる細菌の中で最も多いのがヒブです。ほとんどが5歳未満でその約半数が生後6ヵ月から1歳までのお子さん、そのうちの5%のお子さんが亡くなり、20%前後のお子さんに後遺症が残ります。

1990年代から、欧米ではヒブワクチンが導入され、2008年にはアジア、アフリカを含む110カ国以上で使用されています。WHO(世界保健機関)の推奨により、2003年には94カ国で定期接種に組み込まれています。効果は劇的で、今やほとんどの先進国でヒブによる重症感染症は100分の1程度に激減しました。

主な副反応
注射部分の発赤、腫脹、硬結など
接種対象年齢
2ヵ月以上5歳未満
接種スケジュール
  • [標準:2~7ヵ月未満]
    1回目→4~8週間→2回目→4~8週間→3回目→約1年→4回目
  • [標準的なスケジュールで接種しなかった場合:7~12ヵ月未満]
    1回目→4~8週間→2回目→約1年→3回目
  • [標準的なスケジュールで接種しなかった場合:1~5歳未満]
    1回

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小児肺炎球菌ワクチン(13価結合型)

肺炎球菌は、インフルエンザ菌とならんで子供の細菌性髄膜炎や菌血症といった侵襲性感染症の原因菌として知られています。その他にも、肺炎や気管支炎、中耳炎などを起こします。インフルエンザ菌に比べて髄膜炎の頻度は低いですが、同様に病原性が強く、細菌性髄膜炎を発症するとてんかんや精神発達遅延などの後遺症を残したり、死に至る場合もあります。初期の段階ではかぜと区別がつきにくく、生後3~5歳ぐらいでは重症化することも多いです。

2013年11月1日より13価肺炎球菌結合型ワクチンが定期接種になりました(2010年発売の7価結合型ワクチンに6種類の抗原が追加されました)。従来から成人に使用されている23価肺炎球菌ワクチンとは異なり、子どもが重い病気を起こす原因となる肺炎球菌のうち、13種類の血清型でおこる重症感染症を予防することができます。小児用肺炎球菌ワクチンが発売される前は、日本では肺炎球菌髄膜炎の発症は、5歳未満の小児人口10万人あたり2.6~3.1人と報告されています(2008年~2010年)。

Hibワクチンと同じように生後2ヵ月から接種できます。早めに接種しましょう。

主な副反応
接種部位が赤くなる、腫れる、また全身では発熱等がありますが、重篤例の報告はまれです。
(1)標準的な接種方法

●接種開始年齢:生後2~7ヵ月未満

  • [初回免疫]
    27日間以上の間隔で3回の皮下注射
    ※3回目接種については生後12ヵ月になる前までに完了する。
  • [追加免疫]
    生後12ヵ月以降、標準として生後12~15ヵ月の間に行う。(ただし、3回目接種から60日間以上の間隔をおく。)
(2)(1)の期間に接種できなかった場合

●接種開始年齢:生後7~12ヵ月未満

  • [初回免疫]
    27日間以上の間隔で2回の皮下注射
    ※初回2回目の接種は生後13ヵ月に至るまでに接種する。(厚生労働省小児球菌ワクチンの切替に関するQ&Aより)
  • [追加免疫]
    2回目の接種後60日間以上の間隔で、生後12ヵ月以降に1回の皮下注射

●接種開始年齢:1~2歳未満

  • 60日間以上の間隔をあけて2回の皮下注射

●接種開始年齢:2~6歳未満(注)

  • 1回の皮下注射

(注)定期接種対象年齢は生後2ヵ月以上、生後60か月に至るまでとされています。

接種スケジュール

(1)標準的な接種日

  • [初回免疫:2~7ヵ月未満]
    1回目→27日間以上→2回目→27日間以上→3回目→60日間以上→追加免疫

(2)の場合の接種日

  • [初回免疫:7~12ヵ月未満]
    1回目→27日間以上→2回目→60日間以上→追加免疫
  • [初回免疫:1~2歳未満]
    1回目→→60日間以上→2回目
  • [初回免疫:2~6歳未満]
    1回目

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B型肝炎

[1] お母さんがキャリア(血液中に大量の感染ウィルスを持っている人)の場合は、高率で新生児に感染します。

[2] B型肝炎抗原陽性の血液の輸血や陽性の人との性行為などで高頻度に感染するウィルス性疾患です。感染すると慢性肝炎にかかり、肝硬変、肝臓がんへと進行する人もいます。

接種対象者
  • [対象者1]
    母子感染防止の対象者、B型肝炎抗原陽性の母親から生まれたお子さん(必須)。
  • [対象者2]
    キャリアからの感染の危険性の高い人、長期海外生活をする人(外国では日本よりキャリアの人が多いため)。
接種回数
  • [対象者1]
    生後48時間以内にHBIG(B型肝炎免疫グロブリン)を注射。生後2か月目にHBIGとHBワクチン(B型肝炎ワクチン)を注射。生後3ヵ月目、生後5ヵ月目にそれぞれHBワクチンを注射。
  • [対象者2]
    3回の注射(1回目から1か月後に2回、その後5~6か月後に3回目)。
主な副反応
問題となるような副反応の頻度は極めて低いです。
接種スケジュール
  • [対象者1] ※生後48時間以内
    HBIG接種→2ヵ月→1回目→1ヵ月→2回目→2ヵ月→3回目
  • [対象者2]
    1回目→1ヵ月→2回目→5~6ヵ月→3回目

※他の接種とは1週間(6日間)以上あける。

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DPT-IPV(4種混合:ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)

ジフテリア(Diphteria)

ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。感染すると、高熱、のどの痛み、犬がほえるような咳、激しい嘔吐などが起こります。咽頭部の腫脹によって窒息死することもあります。また、発病から2~3週間後には菌の出す毒素により心筋炎や神経麻痺を起こすことがあります。

しかし、感染しても10%程度の人にしかこれらの症状が出ない不顕性感染のため、保菌者であるか自覚がないまま、菌だけをまき散らすこともあります。

百日せき(Pertussis)

百日せき菌の飛沫感染で起こります。普通のカゼのような症状で始まり、咳がひどくなり、連続的にせき込むようになります。咳の後、急に息を吸い込むので、笛を吹くような音(リフレーゼ)が出るのが特徴で、高熱は出ません。乳幼児の場合は、咳で呼吸困難になることが多く、チアノーゼ(血中の酸素が欠乏して皮膚が青黒くなる症状)や、けいれんが起こることがあります。また、肺炎や脳炎などの重い症状を併発することがあります。

この病気は成人でもかかることがあります。子どもと症状が違い、咳が主症状で1~2ヵ月続きます。咳だけでも菌をまき散らし、子どもにうつすことがありますので、長期(2週間以上)に咳がとまらない時には、医師の検査を受けましょう。

破傷風(Tetanus)

土の中に潜んでいる破傷風菌が傷口から感染して起こります。自分でも気づかない程度の軽い傷が感染の原因になることもあります。菌の出す毒素により、手足のしびれやけいれん、口が開かないなどの症状が起こり、その後の処置が遅れると生命にかかわります。破傷風菌は日本中どこにでもいますが、予防接種で免疫をつくっておけば安心です。

ポリオ

「小児マヒ」と呼ばれる病気です。

ポリオウイルスは人から人へ感染します。感染した人の便中に排泄されたウイルスが口から入り、腸に感染します。感染したウイルスは3~35日間(平均7~14日間)腸の中で増えますが、ほとんどは症状が出ない不顕性観戦でおわり、一生、免疫が得られます。症状が出る場合は、ウイルスが血液を仲介し脳・脊髄へと感染し、麻痺を起すことがあります。

100人中5人程度はカゼに似た症状を呈し、発熱に続いて頭痛、嘔吐が現れます。一部の人は永久に麻痺が残ります。麻痺の発生率は感染した人の200~1,000人に1人の割合です。呼吸筋の麻痺で呼吸困難になり死亡する例もあります。

一部の国では野生株のポリオの流行が残っており、日本へ侵入してくる可能性があります。感染予防のためワクチンで免疫をつくっておく必要があります。

主な副反応
  • 注射部位が赤くなる、腫れる、しこりができる、また全身では、発熱、下痢などがあります。
  • 機嫌が悪くなったり、腫れが目立つときなどは、かかりつけの医師にご相談ください。
  • 不活化ポリオワクチンなのでワクチン関連麻痺(VAPP)の心配はありません。
接種対象年齢
  • [Ⅰ期:初回接種](DPT-IPV)
    生後3~90ヵ月まで
    (標準接種年齢:3~12ヵ月未満)
    3~8週間の間隔で3回の皮下注射
  • [Ⅰ期追加](DPT-IPV)
    初回接種終了後6ヵ月以上
    (標準接種年齢:初回接種終了後12ヵ月以上18ヵ月未満)
    1回の皮下注射
  • [Ⅱ期](DT)
    11、12歳
    (標準接種年齢:11歳)
    1回の皮下注射※DT(2種混合)ワクチンを用いる
接種スケジュール
  • [Ⅰ期:生後3~90ヵ月まで] 標準接種年齢:3~12ヵ月未満
    1回目→3~8週間→2回目→3~8週間→3回目→1~1年半→追加接種
  • [Ⅱ期:11、12歳] 標準接種年齢:11歳
    1回

※他の接種とは1週間(6日間)以上あける

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不活化ポリオ

2012年9月より従来の生ポリオワクチン(OPV)に代わり、不活化ポリオワクチン(IPV)が導入されました。

主な副反応
  • 発熱、眠気、機嫌が悪くなる、接種部位の腫れ、痛みや赤くなるなどの副反応が報告されてます。
  • 不活化ポリオワクチンなのでワクチン関連麻痺(VAPP)の心配はありません。
接種対象年齢・回数
  • 初回免疫については、標準として生後3ヵ月から12ヵ月までの者に3~8週間の間隔で3回、追加免疫については、標準として初回免疫終了後12ヵ月から18ヵ月までの間に1回、接種する。
接種スケジュール
  • [標準:生後3ヵ月から12ヵ月まで]
    1回目→3~8週間以上→2回目→3~8週間以上→3回目→1~1年半→追加接種

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BCG(結核予防)

結核は結核菌によって起こる慢性伝染病で、一般に肺に起こる肺結核が知られています。日本では現在でも毎年3万人以上の結核患者が発生しています。また、乳幼児が結核に伝染すると、粟粒)結核や結核性髄膜炎などになったりして、重い後遺症を残すことがあります。

乳幼児期早期に牛型結核菌を弱めたワクチン(BCG)を接種しておくと、肺結核は50%以上、結核性髄膜炎は80%が予防できるというデータが出ています。

主な副反応
  • 2~4週後に接種部位が赤くなったり、うみが出たりするのは異常反応ではなく、免疫が正しくついた証拠です。包帯やバンソウコウはせずに、清潔に保ってください。
    ※ただし、1ヵ月以上続くときには、かかりつけの医師の診察を受けましょう。
  • 副反応として、まれに接種をした側のわきの下のリンパ節が腫れることがありますが、通常放置して様子をみてかまいません。
    ※赤くなったり痛みがあるときは、かかりつけの医師に相談しましょう。
接種対象年齢
  • 生後3ヵ月~1歳未満
ツベルクリン反応検査をしなくなったための注意
接種部3日目から10日目頃までに接種部位に明らかな発赤・腫脹、針痕部位の化膿などがみられた場合(ゴッホ現象という)には、赤ちゃんが結核に感染している可能性が高いので、すぐかかりつけの医師と相談しましょう。
接種スケジュール
  • [生後3ヵ月~1歳未満]
    1回→27日間以上→《他の予防接種可能日》

※他の接種とは27日間以上あける。

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麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)

麻しん・風しんの予防には混合ワクチン(MRワクチン)を1歳時(Ⅰ期)と小学校就学前1年間(Ⅱ期)に1度ずつ接種します。通常はMRワクチンを接種しますが、麻しんワクチン、風しんワクチンをそれぞれ別にⅠ期とⅡ期の2回接種を受けることもできます。くわしくはかかりつけの医師に相談ください。

麻しん(はしか)

麻しん(はしか)に感染した人の、咳やくしゃみなどで麻しんウイルスが飛び散り、飛沫感染します。伝染力が極めて強いウイルスで、発熱、咳、鼻汁、目やに、発疹を引き起こします。約10~12日の潜伏期間のあと、38度前後の熱が出て、一時的におさまりますが、再び39~40度の高熱と発疹が出てきます。3~4日高熱が続いたのち下がり、発疹も次第に消えていきます。

主な合併症は、気管支炎、肺炎(100人中1~6人程度)、中耳炎(100人7~9人程度)、脳炎(約1,000人に1人)、亜急性硬化性全脳炎という遅発性の脳炎(約10万人に1人)などがあります。

また、麻しん患者の1,000人に1人程度の割合で亡くなるともいわれています。予防接種をすれば、合併症はほとんど起こりません。ぜひ予防接種を受けましょう。

風しん(三日はしか)

風しん(三日はしか)は感染者の、咳やくしゃみなどで飛沫感染します。感染してから症状が出るまでの潜伏期間は2~3週間あり、軽いカゼの症状から始まり、発熱、発疹、首のリンパ腺が腫れるといった症状が出ます。発疹も熱も2~3日で治ることから『三日はしか』とも呼ばれています。

年少児のうちは心配するほどではありませんが、年長児や大人の場合は重症になることが多く、2~3日では治りにくくなります。妊婦が妊娠初期にかかると、先天性風疹症候群といって多発奇形の赤ちゃんが生まれることがありますので、妊娠前に免疫をつけておく必要があります。

主な副反応
  • このワクチンは麻しんと風しんのワクチンを混ぜたものです。接種してから1週間後に37.5度以上の発熱、発疹などがみられることがありますが、通常1~2日で消失します。
  • 2つのワクチンを混ぜたことで、今までの別々のワクチン接種時以上に増えることはありません。
接種対象年齢
  • [Ⅰ期](麻しん・風しん混合ワクチン)
    生後12~24ヵ月未満
    1回の皮下注射
  • [Ⅱ期](麻しん・風しん混合ワクチン)
    5歳~7歳未満で小学校就学前1年間(就学前年度4/1~3/31)
    1回の皮下注射
接種スケジュール
  • [Ⅰ期:生後12~24ヵ月未満]
    1回→27日間以上→《他の予防接種可能日》
  • [Ⅱ期:5歳~7歳未満で小学校就学前1年間]
    1回→27日間以上→《他の予防接種可能日》

※他の接種とは27日間以上あける。

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日本脳炎

日本脳炎は人から人へ直接感染するのではなく、感染した豚の体内で増えたウイルスを蚊が媒介して感染します。7~10日間の潜伏症状の後、高熱、嘔吐、頭痛、けいれん、意識障害などの症状を示す急性脳炎になることがあります。

症状の出る人はウイルスを持った蚊にさされた人1,000~1,500人に1人程度です。夏にカゼに似た症状や無菌性髄膜炎で終わる人もいます。脳炎にかかったときの死亡率は約15%、神経に後遺症が残る人は約50%にもなる重病です。

主な副反応
  • まれに接種直後から翌日に、発疹、じんましん、かゆみなどがみられることがあります。
  • 全身症状としては37.5度以上の発熱、悪寒(さむけ)、頭痛、倦怠感、吐き気など、局所症状としては接種部位に発赤、腫れ、痛みなどがみられることがありますが、通常は2~3日で消えます。
  • ごくまれに接種後数日~2週間程度で急性散在性脳髄炎(ADEM)などの重い副反応がみられる場合があるといわれています。
接種対象年齢
  • [Ⅰ期]
    生後6~90ヵ月未満
    (標準接種年齢:3歳)
    ※注意:3歳未満と3歳以上で注射の接種量が異なります。
  • [Ⅰ期追加]
    初回接種後1年以上
    (標準接種年齢:4歳)
  • [Ⅱ期]
    9歳~13歳未満
    (標準接種年齢:9歳)
接種スケジュール
  • [Ⅰ期:生後6~90ヵ月未満] 標準接種年齢:3歳
    1回目→1~4週間→2回目→約1年→追加接種
  • [Ⅱ期:9歳~13歳未満] 標準接種年齢:9歳
    1回

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子宮頸がん予防ワクチン

HPV(ヒトパピローマウィスス)

HPVは女性の子宮頸がんの発生の原因となるウィルスです。HPVは性交渉によって誰でも感染する機会のある一般的なウィルスで、8割くらいの女性が一生のうち一度は感染します。子宮頸がんを発症するのは感染した女性の1割未満だと考えられています。ワクチンに入っているHPV16型と18型は最も一般的な発がん性タイプであり、世界の子宮頸がんの70%にこのタイプが関連しています。そして20-30歳代での発症が問題となっており、日本では年間約15,000人が発症、約3,500人が亡くなっています。またHPV6型と11型は尖圭コンジローマ(性器イボ)のの発症原因の約90%を占めています。

「子宮頸がんを発生させるのはHPV感染である」と確定されたことによって、予防を目的としたワクチンの開発が進みました。HPVワクチンには2009年12月より導入されたHPV16型と18型の感染を予防する2価ワクチンと2011年8月より導入されたHPV6型と11型、16型と18型の感染を予防する4価ワクチンがあります。発症は20-30代が多いのですが、ワクチンは性交渉開始前に接種しておくことが大切です。接種対象年齢については日本産科婦人科学会、日本小児科学会、日本婦人科腫瘍学会で話し合い、初回接種は11-14歳に開始することを推奨しています。なお世界に於いては既に100カ国以上で使用されています。

現在、「子宮頸がんワクチン接種緊急促進事業」の一環として、市区町村が実施主体となり公費助成が行われています。詳しくはご相談ください。

主な副反応
  • 注射部位の疼痛、発疹及び腫脹などの局部反応と、軽度の発熱、倦怠感などの全身性の反応であり、いずれも一過性で数日以内に軽快します。
  • 海外での接種約7,800例において、局所反応としては疼痛(90.3%)、発赤(46.6%)、腫脹(43.0%)、全身反応としては疲労感(35.9%)、頭痛(29.7%)、筋通(35.0%)などが報告されてます。
接種対象年齢
  • [2価ワクチン]
    10歳以上の女性
  • [4価ワクチン]
    9歳以上の女性
回数
  • [2価ワクチン]
    初回接種の後、1ヵ月後と6ヵ月後にそれぞれ1回
  • [4価ワクチン]
    初回接種の後、2ヵ月後と6ヵ月後にそれぞれ1回

※いずれも3回の筋肉内注射

接種スケジュール
  • [2価ワクチン]
    1回目→1ヵ月後→2回目→5ヵ月後→3回目
  • [4価ワクチン]
    1回目→2ヵ月後→2回目→4ヵ月後→3回目

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DPT(3種混合:ジフテリア、百日せき、破傷風)

ジフテリア(Diphteria)

ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。感染すると、高熱、のどの痛み、犬がほえるような咳、激しい嘔吐などが起こります。咽頭部の腫脹によって窒息死することもあります。また、発病から2~3週間後には菌の出す毒素により心筋炎や神経麻痺を起こすことがあります。

しかし、感染しても10%程度の人にしかこれらの症状が出ない不顕性感染のため、保菌者であるか自覚がないまま、菌だけをまき散らすこともあります。

百日せき(Pertussis)

百日せき菌の飛沫感染で起こります。普通のカゼのような症状で始まり、咳がひどくなり、連続的にせき込むようになります。咳の後、急に息を吸い込むので、笛を吹くような音(リフレーゼ)が出るのが特徴で、高熱は出ません。乳幼児の場合は、咳で呼吸困難になることが多く、チアノーゼ(血中の酸素が欠乏して皮膚が青黒くなる症状)や、けいれんが起こることがあります。また、肺炎や脳炎などの重い症状を併発することがあります。

この病気は成人でもかかることがあります。子どもと症状が違い、咳が主症状で1~2ヵ月続きます。咳だけでも菌をまき散らし、子どもにうつすことがありますので、長期(2週間以上)に咳がとまらない時には、医師の検査を受けましょう。

破傷風(Tetanus)

土の中に潜んでいる破傷風菌が傷口から感染して起こります。自分でも気づかない程度の軽い傷が感染の原因になることもあります。菌の出す毒素により、手足のしびれやけいれん、口が開かないなどの症状が起こり、その後の処置が遅れると生命にかかわります。破傷風菌は日本中どこにでもいますが、予防接種で免疫をつくっておけば安心です。

主な副反応
  • 注射部位が赤くなる、腫れる、しこりができることがありますが、免疫がつくられたために起こる現象です。しこりは通常放置しておけば次第に小さくなります。
  • 過敏なお子さんの場合、上腕全体が腫れることがありますが、湿布などで軽快します。
  • 機嫌が悪くなったり、腫れが目立つときなどは、かかりつけの医師にご相談ください。
接種対象年齢
  • [Ⅰ期:初回接種](DPT)
    生後3~90ヵ月未満
    (標準接種年齢:3~12ヵ月未満)
    3~8週間隔で3回の皮下注射
  • [Ⅰ期:追加接種](DPT)
    初回接種終了後6ヵ月以上
    (標準接種年齢:初回接種終了後12ヵ月以上18ヵ月未満)
    1回の皮下注射
  • [Ⅱ期](DT)
    11、12歳
    (標準接種年齢:11歳)
    1回の皮下注射※DT(2種混合)ワクチンを用いる

I期の接種については、すでにワクチンに含まれているいずれかの病気にかかった方でもDPTワクチンの接種を受けることができます。くわしくは、かかりつけの医師にご相談ください。

接種スケジュール
  • [Ⅰ期:生後3~90ヵ月未満] 標準接種年齢:3~12ヵ月未満
    1回目→3~8週間→2回目→3~8週間→3回目→1~1年半→追加接種
  • [Ⅱ期:11、12歳] 標準接種年齢:11歳
    1回

※他の接種とは1週間(6日間)以上あける

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水ぼうそう(水痘)

水痘・帯状疱疹ウイルスの空気感染、飛沫感染、接触感染で起こります。初感染では、発熱とともに全身に水疱性の発疹が出ます。水痘ウィルスは回復後も良く体内に持続感染する性質があり、なにかのきっかけで体の免疫機能が低下すると再活性化し、帯状疱疹となって現れます。

水痘は普通に子供がかかったとき、合併症はまれですが、経過は軽い人から重い人(重症の発疹や脳炎等の合併症)まで様々です。白血病や悪性腫瘍、大量のステロイド剤を使用しているお子さんなどは免疫機能が低下しているため、症状が重くなります。

主な副反応
発熱、発疹がみられることがありますが、一過性で通常数日中に消失します。また、まれに接種部位の発赤、腫れ、しこりなどがみられることがあります。
接種対象年齢
生後12~36ヵ月に至るまで。
回数

6~12ヵ月の間隔をあけて、2回の皮膚注射。(標準・生後12~15ヵ月に至るまでに1回目の接種を行い、1回目接種終了後6~12ヵ月の間隔で2回目を接種する。

※経過措置として、平成26年度に限り、生後36~60ヵ月に至るまでの間にあるお子さんを対象として1回接種できます。ただし、既に水痘に感染したことがある場合は、対象外となります。また、任意接種で既に水痘ワクチンの接種を受けたことがある場合は、接種した回数分の接種を受けたものとみなします。詳しくは、かかりつけ医にご相談ください。

接種スケジュール
  • [生後12~36ヵ月に至るまで]
    1回→6~12ヵ月→2回

※他の接種とは27日間以上あける。

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おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)

ムンプスウイルスによりうつるよりうつる病気です。耳の下(耳下腺)がはれて大きくなり、痛みがあります。あごの下(顎下腺)がはれることがあります。両側がはれることが多いですが、片方だけのこともあります。はれは平均8日続きます。合併症として髄膜炎や難聴を起こすことがあります。感染してから発病まで2〜3週間の潜伏期があります。6000人〜8000人に1人はムンプス髄膜炎にかかることがありますが、自然感染に比べれば頻度はとても少ないです。

主な副反応
接種後2~3週間後に耳の下が軽くはれることがあります。
接種対象者
1歳以上。保育園、幼稚園など集団生活に入る前が良いでしょう。
接種スケジュール
  • [標準:1歳を過ぎたら年齢と関係なく]
    1回→27日間以上→《他の予防接種可能日》

※他の接種とは27日間以上あける。

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インフルエンザ

インフルエンザウイルスの感染により、高熱、鼻汁、全身倦怠感などの症状が出ます。Aソ連型、A香港型、B型のウイルスは毎年少しずつ変異し、流行を引き起こします。

主な副反応
  • 接種部位が赤く腫れる程度で、発熱、頭痛など副反応はほとんどありません。
  • インフルエンザワクチンには卵の成分が少量含まれています。検査で陽性でも生卵を食べて以上のない方は接種を受けることが可能ですが、かかりつけの医師にもご相談ください。
接種対象年齢
  • 接種は生後6ヵ月から可能ですが、お子さんに接種するかどうかは、かかりつけの医師とご相談ください。なお、呼吸器系、心臓血管系などの持病がある人や医療従事者の方には特に接種をお勧めします。
接種スケジュール
  • [13歳未満:生後6ヵ月~13歳未満]
    1回目→1~4週間→2回目→6日間以上→《他の予防接種可能日》
  • [13歳以上]
    1回→6日間以上→《他の予防接種可能日》

※他の接種とは6日間以上あける。

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